どす黒いドロドロ染五郎★ゲキ×シネ『朧の森に棲む鬼』のかんたんレビュー
先週までの髑髏城シリーズが終わり、今週は市川染五郎(現:松本幸四郎)主演の『朧の森に棲む鬼』
この作品は、酒呑童子のおとぎ話✕シェイクスピアのマクベス✕リチャード三世ですね。
主役の名前のライは源頼朝、シュテンは酒呑童子からだと思われます。
伊吹山に居を構え茨木童子などの数多の鬼を従えて京都を攻めようとした酒呑童子。
天皇の命を受けた源頼光は神仏の協力を得て山伏に身をやつして酒呑童子の住処へ潜入。
鬼たちの仲間であると説得し、鬼の力を封じるという神酒を呑ませ、身の上話を語りながら気をゆるした酒呑童子の寝首を掻いて討伐した。
だまし討ちにあったことを知った酒呑童子は、首を落とされながらも頭だけで頼光に襲い掛かり、「鬼に横道なし」(意訳:鬼ですらここまで卑劣な輩はいない。恥を知れ)と激しく罵ったという。
ワタシは2007年に大阪松竹座に見に行きました。
いつもと違う歌舞伎の劇場で歌舞伎役者の市川染五郎がどや顔で芝居していて、なんかいつもの劇団☆新感線のいのうえ歌舞伎とは雰囲気が違うぞと思った記憶があります。
うー懐かしいですねえ
あの当時と歳を重ねた現在とでは、どんな違いを感じるのか楽しみです。
今回も行ってみよー
<朧の森に棲む鬼> オボロノモリニスムオニ
2007年1月~2月 東京は新橋演舞場、大阪は松竹座にて公演
脚本/中島かずき 演出/いのうえひでのり
キャスト/ 市川染五郎(現 松本幸四郎) 阿部サダヲ 秋山菜津子 真木よう子 高田聖子 粟根まこと 小須田康人 田山涼成 古田新太 他
舞台はいつともしれぬ昔、どこともしれぬ島国。どんな嘘でも瞬時に仕立て上げることができる男ライ(市川染五郎)は、その舌先と弟分のキンタ(阿部サダヲ)の腕っぷしを武器に、世の中を渡ってきた。そんなライの前に、朧の森の魔物“オボロ”が現われる。オボロから自らの命と引き換えに、この国の王の座を約束することを持ち掛けられたライは取引に応じる。さらにその舌先と同様に滑らかに動く剣を与えられたライは、都に向かい血塗られた戦いへ身を投じていく。
エイアン国一の名将で、“四天王”のひとりヤスマサの命を奪ったライは、ラジョウと呼ばれる暗黒街で盗賊たちを束ねる大悪党マダレ(古田新太)と手を組み、さらに宮廷内に入り込み四天王のひとりツナ(秋山菜津子)に取り入ってしまう。着実に国の中枢へと食い込んだライは、続いてエイアン国と戦争を続けるオーエ国の美しき将シュテン(真木よう子)に狙いを定める。果たして、ライの飽くなき野望の行方は―――?そしてその血塗られた夢の先に、ライが見るものとは―――?
http://www.geki-cine.jp/oboro/
ミーハー気ままな感想を覚え書き(敬称略)
市川染五郎のライ
そうそう、思い出した。めちゃくちゃ悪いヤツだったのよ。このライって(笑笑
歌舞伎の花道を六方で駆け抜けていく姿や見得や立ち廻りはもちろん歌舞伎調。
スピードのあるセリフも芝居ももちろんど安定の役者さんですからね。
最初からどす黒いドロドロストーリーにどっぷり浸れて楽しかったです。
阿部サダヲのキンタ
多分当時は阿部サダヲのことをあまり知らなかったような気がします。
池袋ウエストゲートパークの浜口巡査や木更津キャッツアイの猫田センパイなどで認識してるけど舞台は見たことなかったし。
でもこの舞台改めて見ると、めちゃくちゃ華があります。
どす黒いストーリーの舞台上に彼が出てくるだけでパーッと明るくなる。
一瞬主役を喰ってしまうかと思うぐらいの華やかさ。
染五郎も思わず緩んでしまうアドリブをバンバン吐いてもちゃんと回収できるし。
花道を染五郎のマネして六方で駆け抜けていく時もなんだか華やかで頬が緩みました。
「ショーストッパー」って呼ばれているのが頷ける。改めてスゴイひとなんだ。
も一回見れてヨカッタ。
その他のキャスト
真木よう子が最初はいつものようにセリフ噛みまくりでハラハラしたけど、ちゃんと立ち直りました。
秋山菜津子も田山涼成もそしてそして高田聖子と古田新太の劇団メンバーもどすーんと安定のお芝居。
安心して重くどす黒い物語にどっぷり浸れました。
最後の水に浸かるシーンは当時とてもビックリした記憶があるのですが、今回改めて映像で見るとめちゃくちゃ水量が多くて驚きました。すごいなあ。
結果、当時も今回も純粋に楽しく面白く観劇しました。
今日はここまで。
最後まで読んでいただきありがとうございました。Have a nice day